2007年11月8日木曜日

インドIT「新しい」トレンドと展開

写真:インドバンガロールにてシスコ・グローバライゼーション・センター・イーストのオープンニング・セレモニー。2010年までに1万人がここで働く予定。(詳細は以下の「米シスコがインドに“東本社”を開設」を参照)

去年ある社内会議でインドIT大手2位Infosys(ITスタッフ7万人)社長がその世界各国の開発センターなどから集まった責任者に向かって、「今ならアメリカのIT企業トップ10の社長やCEOに電話1本で話ができる」と発言していましたが、それで言えば、インド国内トップ20のインドIT企業のどれも米大手企業を相手に受注や共同開発をしていることから言えば、同じことが言える時代かもしれません。ところが、ここ数年、インドIT企業が大型受注などで成長をしている同時にインド国内での展開からはじめ、海外における様々な「新しいトレンド」が生まれつつあります。その内、もっとも目立つのが以下のポイントだと言えるでしょう。


  1. 現在課題となっているのが海外におけるインドIT企業開発センターの増加で、現地スタッフを数千人単位で、無論現地手給料で雇用していることでしょう。インド国内は2004年以降止まらない給料向上により、もう安く開発してもらえるとは言えません。給料は今年も続けて向上し、前年比14%の(IT産業だけではなく、全体的にです、ITは2012年までにはアメリカとほぼ変わらなくなる見込み)、品質を売りにすることと、海外の顧客に対してはその地元での開発センタでより安心感を与えながら現地エンジニアと、インドからのプロジェクトマネジャーやシニアスタッフを派遣する方針が増えています。その辺、インドIT企業としても今後は安さではなく、シリコンバレー同様の良い品質を提供するからいずれ価格帯が高くなっていくに決まっているという考え方ではあります。また、ドルで収入を得ても、インド国内経済が成長している時期で、ルピー高の中で給料はルピーという事情では今後より海外での開発が進んでいくことに間違えないでしょう。とても厳しい開発プロセスで知られるインドソフトウエア開発企業は海外センターでもインド国内同様のプロセスを導入することは無論そうなっています。
  2. 以下のニュースの米ネットワーク大手CISCOとインドIT大手WIPROの戦略提携のように、インド企業が世界的な開発展開の中で、今後米企業の企業向けハードウエアや関連ソフトウエアそして新しい開発では米企業が保有する技術を推薦したり、導入していくパターンがほかの似た提携にも見られます。それにより、お互いの一流顧客に一流の相互サービスを提供するWin-Winになる方針です。
  3. もうひとつの新しいトレンドとは、数年前まではほとんど海外の顧客に対し、委託を受け、開発を行ってきたところ、インド国内のIT需要が圧倒的に向上しているため、インド国内企業が続けて大型IT開発を発注していることです。米IBM(ITスタッフ55000人もいるIBMインド開発センターになりますが)、CISCO、Oracle、Microsoftなどからはじめ、インドIT企業にとっても大きなビジネスチャンスとなっています。この一年だけでインド企業から数千億円単位の発注をされています。
  4. アメリカITトップ企業、IBM、CISCO、ほかが戦略上、そのアメリカ国内や世界市場向けの大型研究開発やソフト開発のかなり大きな部分をインド国内で行うことにしつつあります。言うまでもなく、世界市場向けの大型プロジェクトや技術開発では多数の開発チームはアメリカだけでは不可能なため、次はインドになるため、こうなります。従って、面白いと言えるのが米企業がインド国内では直営の開発センターで数千人を抱える同時に、それでも仕事の量があるため、インドIT企業にも委託することになりますが、その一方、海外市場ではそういった米と印両企業がいわゆる入札などでよく競争相手をしたりすることも増えてきたことです。
  5. 2年前までインドIT企業が欧米市場から受注してきたそれぞれの開発プロジェクトのサイズが大きくて数十億円単位までのものだったのが、一昨年から100億円単位の受注も見えてきました。以下の情報のとおり、今年になってからはより増えてきました。インド最大手のTCS社(世界的ITスタッフ9万人)は1件で1400億円の受注も登場。
  6. 今後米印企業が世界市場をターゲットに共同開発を進めることがかなり頻繁になる見込みとされています。米印のITエンジニアの合計人数だけで言っても世界最高の経歴豊富のIT人材がいることから有意義な出来事でしょう。
以下は、上記のポイント全てをカバーする中身情報ではありませんが、一応、まつわる情報となります。

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米XMG調査】 世界のオフショア市場は2008年も堅調に拡大——米国調査会社が予測
CIO - 15分前
この調査は、アジアの主要なオフショア諸国であるインド、中国、マレーシア、フィリピンでの市場動向に重点を置いて行われた。調査によると、インドのオフショア市場は2007年に341億ドル規模に達し、年平均成長率(CAGR) 29.5%を記録、世界で11.5%のシェアを占める ...


インドIT輸出が2011年までには800億ドル(約9兆円)に、年々30%成長:インド英字経済新聞より
Govt expects IT exports to touch $80 bn by 2011


インドit最大手、ニールセンから大型受注・総額1400億円
日本経済新聞 - 2007年10月18日
【ニューデリー=小谷洋司】インドit(情報技術)サービス最大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズ(tcs)は18日、オランダの大手調査会社ニールセン・カンパニーから情報インフラの刷新・保守などの業務で10年間の長期契約を結んだと発表した。 ...


インドIT大手2位のインフォシスが翌10ヶ月内1億ドル(約120億円)ずつの開発受注をそれぞれ15件受注見込み:インド英字経済新聞より
Infosys targets 15 $100 mn deals overseas in 10 months- Software ...
Economic Times


インドIT大手HCLが翌5−7年間内次世代的開発センターを5箇所に、それぞれへの投資額が約300億円、新規雇用10万人を:インド英字経済新聞より
HCL to set up 5 tech centres at Rs 1000 cr each 


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CiscoとWipro,ソリューション開発で提携,インドに開発センターを設置
ITpro - 2007年10月31日
米Cisco SystemsとインドのWiproはインドで現地時間10月31日,ITサービス・ソリューションの共同開発/供給を目的とする戦略的提携を結んだと発表した。ただし,契約金額や期間など詳細な条件については明らかにしていない。 これにより両社は,Ciscoのネットワーク機器 ...


シスコとウィプロ、ITサービス開発で戦略提携
日本経済新聞 - 11月1日
ニューデリー(ダウ・ジョーンズ)米ネットワーク機器大手シスコシステムズ(Nasdaq:CSCO)とインドの情報技術(IT)サービス大手ウィプロ(507685.BY)(NYSE:WIT)は10月31日、ITサービス開発で提携することで合意したと発表した。この提携による新事業が両社に年間10億ドルの ...


米シスコがインドに"東本社"を開設,新テレプレゼンス・システムも披露 (写真あり、これは未来を舞台にした映画から登場するようなシステムで、是非お読みください)
ITpro - 10月31日
米シスコは現地時間の10月30日,インドのバンガロールに開設した「シスコ・グローバライゼイション・センター・イースト」(写真1,以下シスコ・イースト)のオープニング・セレモニーを開催,約1000人の同社パートナや顧客に披露した。 シスコ・イーストは顧客のサポート ...

富士通が2010年にもインドでソフト技術者1万人を確保へ:ITpro
富士通は2010年までに、インドで1万人のソフト開発技術者を確保する。2006年3月に買収した100%子会社の米ラピダイムがインドに構える開発拠点や、30%出資する印ゼンサーの拠点などを中心に、グループ会社で1万人の技術者を集める。

インドをソフト開発拠点に、富士通や日立など情報各社 ビジネス-最新 ...
情報各社がインドでソフトウエアの開発委託(オフショアリング)を本格化する。富士通は2009年度までに現地で2000人の技術者を雇用。日立製作所も今年度中に開発者を15%増やす。インドは米企業による開発委託が進み「世界のソフト開発拠点」になりつつ ...


インド離れを始めたアウトソーシング 今度はインド企業が業務を海外移転
nikkei BPnet - 2007年11月5日
ここ数年、グローバルなIT経済の原則は「業務と仕事をインドに移転する」という動きだった。このルールに沿って、米IBMやEDS、アクセンチュア、CSCなどITサービス大手が続々とインドに数万人規模の要員を擁する拠点を築いた。伸びゆくインド市場にくさびを打ち込むこと ...
インドit福岡進出へ サティヤム 来年4月天神に開発センター 10月27日


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IBM 今後3年間でインドへの投資を3倍に拡大する計画を発表 - Japan
IBMの会長兼CEOのサミュエル・J・パルミサーノは6日、インドで開かれた過去最大の社員集会の席上で、同社が今後3年間にインドへの投資をほぼ3倍に拡大する計画であることを発表しました。
「インドや中国が全IBMのバックオフィスになる」、米IBMのパルミサーノ ... IT Pro日経BP


マイクロソフトがインド研究開発センターを拡大する方針。この3年間180類の新パテントを申請(インドプレゼンスは1998年より、現在インド国内2箇所、合計1400人):インド英字経済新聞より
Microsoft keen to expand Indian R&D The Hindu Business

リライアンス・コムとマイクロソフト、インドでのIPTVに向け提携
(インド大手Relianceが本提携で世界最先端のIPTVソフトシステムでマイクロソフトにライセンス料として5億ドル(約600億円)支払いする、Relianceが来年3月に400チャンネルの先端IPTVを登場させる予定、ハイビジョン放送を含める可能性見込みも)
日本経済新聞 - 2007年11月5日
バンガロール(ダウ・ジョーンズ)インドの携帯電話サービス大手リライアンス・コミュニケーションズ(532712.BY)と米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)は5日、マイクロソフトのソフトウエア基盤を利用したインドでのリライアンス・コムのインターネット・プロトコル・ ...

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インド国内企業からの大型委託のいくつかの事例:以下のIBMへの委託とは面白い展開で、完全にインド国内にあるIBM開発センター(55000人+)それぞれが手がける仕組みです。

インドBharti社:IBM(インド)
と10年間契約で7億ドル以上の業務委託を。Bharti社が去年米Fortune誌の世界Top10のITをうまく利用する企業に並びました。IBMインドが受注し、IBMインドチームで手がける。
米IBMがインドの通信会社と10年間のITインフラ契約,現地でサービスの ...
インドの通信会社Bharti Tele-Venturesと米IBMは,ITインフラやアプリケーションの集約などに関して10年間の契約を締結した。両社がインドで現地時間3月26日に明らかにしたもの。IBM社は,Bharti社のITインフラとアプリケーションの集約/移行/管理業務 ...
日経 IT PRO

Nokia Siemens Networks,インド通信大手と9億ドル規模の提携:ITpro-
日経 IT PRO

IBMが、インド第4位の携帯電話会社であるハチソン・エサーとの間で、16億ドルのアウトソーシング契約を
2007年3月

インド大手イデアは、米IBMと業務契約に署名したと発表した。契約期間は10年で、IBMはイデアに技術支援を提供する。契約額はイデアの売上高と業務の拡大によって決まる仕組みで、6億ドル−8億ドルとなっている。
2007年3月

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AOL,インド向け現地語版ポータルを開設,ビデオ検索「Truveo」も欧州/アジア8カ国へ
ITpro - 11月1日
米Time Warner傘下の米AOLはインドと米国で両国の現地時間10月31日,インド向けポータル・サイト「AOL.in」の「ヒンディー語版サイト」と「タミル語版サイト」を開設したと発表した。また,ビデオ検索サイト「Truveo」についても,欧州およびアジアの8カ国向けに新サイト ...

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